私は3人姉妹の長女。小さい時からずーっと「お姉ちゃんなんだから」と言われ育った。
「1番上が男の子だったら良かったのに」とも。
父が長男だったので先祖代々のためにも跡継ぎが欲しかったのだろう。
1番上とか男とか女とか・・・。何なんだろうな〜。
長男誕生
子供は3人いる。1番上は男の子だった。27年前に生まれた。
お兄ちゃん、とは呼ばず名前で呼んで育てた。
2人目、3人目は女の子。
3人を平等に育てたいと思っていたが、我が家はお寺。
しかも私たちは両もらいだったから跡継ぎは大きな問題。
長男にだけ「跡継ぎ」の重荷を与えたくなかった。
「やりたいことがあったら言いなさい」と伝えといた。
長男10歳
10歳になると「得度」ができる年齢になる。
お坊さんの仲間入り。
いくつかのお経を覚えて京都に行って丸坊主にして式に臨む。
長男と同じ年の従兄弟も数ヶ月前に得度していたからイメージはできてたようだ。
旦那から「得度」について長男に説明してもらって、本人の意志を確認した。
本人は覚えているかわからないが、得度することに「いいよ」と答えた。
旦那にしたら第一関門突破、って感じだったのだろう。
私は重荷を与えたくない一心で「お母さんも得度する」と言った。
我が家は長男の大事な「得度」と言うより、「京都へ家族旅行」って雰囲気になってた。
長男には「得度してもやりたいことがあったら言いなさい」と伝えといた。
長男反抗期
普通に中3で反抗期がきた。
普通の家より仏様に手を合わす機会が多いお寺の子もふつ〜うに反抗期くるのね。
私は男兄弟がいないから、男の子の子育てはどうしていいかわからないことも多かった。
どうしていいか分からないから、ぽっちゃり?の私とガリガリ?の長男とは力勝負みたいな子育てになっていた。
高校3年。
進路を決める頃になった。
まだ反抗期。
あれだけ、「やりたいことがあったら言って」と伝えていたのに「やりたいことがない」と・・・。
目の前受験ですけど。
志望校決めるときになり反抗期が終わった。
長男の進路をみんなで仲良く?考えた。
滑り止めというか旦那の希望で仏教の大学も受けることを条件として、あとは本人が行きたい大学・学部を決めることになった。
滑り止めができた安心感と、仏教の大学に行きたくないと言う気持ちで一生懸命勉強をしていた。
無事?本人が選んだ大学の1つに合格できた。
「やりたい仕事が見つかったら言って」と伝えといた。
長男大学生
大学は親元離れて謳歌していた。
帰省するたび体重も増え・・・。
楽しい時間はあっという間で、大学3年。
就活。
長男に家業が重荷になってなかったか結論が出るような時期になった。
私なりの子育てがうまくできていたのか。
この頃長男が「もし自分がお寺継がなかったらどうする?」と聞いてきた。
私は「妹にお坊さんのお婿さんをもらうってこともあるよね。」と答えた。
お寺の跡継ぎを心配してくれるようになったのは嬉しかった。
重荷にならない程度で選択肢の1つになっているのがわかった。
やりたいことはお坊さんか?!
長男お坊さんの資格を取る
旦那のすすめもあり、大学を卒業してからお坊さんの資格を取るため、仏教の大学の聴講生になった。(※現在はこの聴講生の制度はなくなったようだ。)
どんな職業につくにしても後でお坊さんの資格を取るのは時間的にも年齢的にも難しくなるので、若いうちに取っておくことになった。
長男にすればあと2年親元を離れて暮らせるからそれも良かったのだろう。
旦那は第2関門突破とこっそり喜んでたようだ。
私はお坊さんになることに反対している訳ではない。
もちろんなってほしい。継いで欲しい。
ただ最初からお坊さんだけ、の道にしたくなく、第1子だから、男だから、って理由にしたくなかった。
本人が大人になるにつれ、色々考えて決めてくれるのを見守りたかった。
やりたいことをやってからお坊さんになるのもいい。
長男社会人
無事資格を取り卒業し、実家に戻ってきた。
24歳。
地元で社会人になった。
旦那も家業専業になるまでは会社勤めをしていたから、長男がサラリーマンとして働くことに私も旦那も賛成していた。
休みの日にたまに家業を手伝ってもらいながら家業の仕事も覚えてもらえたら、と旦那は思っていたようだが、サラリーマンも疲れるからそううまくはいかなかった。
長男のすごさ
長男に聞いてみた。
お寺の子として生まれたことや、第1子として生まれたことのために何か負担があったか心配だったから聞いてみた。
「今まで人生で嫌だったこととかある?」
「ないよ」
あれ?何でだ?
「今まで悩んだこととかないの?」
「ないよ」
おいおい。
長男はとってもポジティブな性格だとは思っていたが、大学も第一志望に合格したわけでもないし、部活も常にレギュラーだった訳でもないし、人生で悔いたり悩んだことないのか?
色々聞いてみたがどれも大したことではなく嫌でも悩みというほどでもなかったようだ。
とっても楽しい人生らしい。
・・・・。
色々重荷にしたくない、とは思っていたがこんなにポジティブに育てようと思っていた訳でもない😅
楽しい人生を送ってくれているのは親として最高に嬉しいが何とも・・・。
一般的な第1子
私の思っていた第1子は、どちらかというと下の子の面倒を見るよう言われたり、手本になるようにと言われたりすることが多いから、親に言いたいことも言えず、いい子でいる小心者。
萎縮して気を使いすぎることもある子、とすら思っていた。
私が気にして「お兄ちゃん」とは呼ばずに育てていたが、妹たちは「お兄ちゃん」と呼んでいる。
そう言えば子供たちが小さい時、食べ物を分ける際に「お兄ちゃんだから妹にたくさん分けてあげる」ということはなく、平等に子供達自身で、いや兄の言い分でしていた。
これが私のした子育てか?😅
長男だから、と育てなかったから常に平等を目指すようになったのか?
まとめ
第1子の子育ては親もわからないことばかりで、1番いい方法を思いつく前に子供はどんどん成長していくって感じ。
気を使い、自分の経験を元にいい子育てを考えたり本を読んだり、自分が親との関係で悩んだことを回避しようとしたり。
親の心子知らず。
思った通りの到着点に行くかわからない子育てだけど、思い詰めすぎずにすればいいんだ。
親の想いは伝わる。
子育て中のみんなが悩みすぎず、子育ての芯だけぶれずにいたら、あとはどんな到着点に向かっていくのか楽しみながら貴重な時間を過ごして欲しいな。
子育ては楽しかったよ〜😊
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