【お寺のお金 ~お寺を支える基本~②】住職の給与と源泉所得税の納付

お金の話

住職へ給与を支給しているお寺では、その給与から所得税や住民税を差し引いて支払います。

※住民税については、お寺の給与から天引き(特別徴収)する手続きを取っている場合のみとなります。

これらの税金は、住職から一時的に宗教法人が預かり、あとで国や市区町村へ納めるものです。

今回は、その中でも、「あっ、忘れそうだった」となりやすい源泉所得税の納付について、一緒に確認していきましょう。

源泉所得税は毎月納めるもの?

あかり
あかり

「所得税っていつ納めるのかな?」

給与明細では、「所得税」と表示されることが多いですが、実際に給与から差し引かれているのは、「源泉(げんせん)所得税」です。

所得税・・・・・1年間の所得全体に対して最終的にかかる税金
源泉所得税・・・給与や報酬などの支払者が本人に代わって納める税金

本来、源泉所得税は給与を支払った月の翌月10日までに納付することになっています。

しかし、多くの小規模なお寺では「年2回まとめての納付」というやり方が認められています。

この「年2回納付(納期の特例)」ができる条件は、次の2つです。

源泉所得税の納期の特例
  • 給与を支払う相手(住職、坊守、職員など)が常時10人未満であること
  • 税務署へ「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出していること

住職や家族だけで運営しているお寺の多くが、この特例を使って効率化しています。

納付時期は年2回

この特例を使っている場合、納付の期限は次のとおりです。

期限を過ぎてしまうと、ペナルティとして延滞税などがかかる場合があります。

期日を意識しておくことが大切です。

住民税をお寺で天引きしている場合は、所得税のような年2回の特例はありません。毎月、市区町村へ納めることになりますので、所得税とは時期が違う点だけ注意しましょう。

納付する金額はどうやって確認するの?

毎月給与から預かる源泉所得税額は、国税庁が毎年公表している「給与所得の源泉徴収税額表」をもとに計算します。

税額表は毎年見直されますが、いったんその年の表が公表されると、年の途中で変わることは通常ありません。

給与計算ソフトを利用している場合は自動で計算されますが、手計算の場合は国税庁ホームページでその年の税額表を確認しましょう。

※国税庁「源泉徴収税額表関係」で税額表が確認できます。

源泉徴収税額表の見方

例:給与(社会保険料等控除後)が25万、扶養親族等の人数が0人の場合《令和8年分》

まず左の列で、給与の金額(25万)が入る行を探す

次に、扶養親族等の数「0人」の列を見つける

①の行と②の列が交わるマス「6,110円」が、その月に源泉する所得税額

※令和8年分「給与所得の源泉徴収税額表(月額表)」より

年2回の納付では、毎月預かった源泉所得税額の合計金額を、納付書に記入して納めます。

1月の納付分「年末調整」とも関わってきます。このお話はまた次回、あらためてご紹介します。

忘れないための「1週間前の仕組み」

年に2回しかない手続きだからこそ、うっかり忘れてしまうことがあります。

それは誰にでも起こりうることです。

そこでおすすめしたいのは、スマートフォンのカレンダーや手帳に締切日の1週間前(7月3日頃、1月13日頃)」に通知が来るよう設定しておくことです。

1週間前に気付ければ、納付書の準備や銀行へ行く予定も、余裕を持って立てられます。

また、毎月お預かりする源泉所得税額を帳簿に記録しておくと、納付のときになっても慌てずに済みます。

例えば・・・

住職と坊守それぞれの分を別の欄に記録できるようにしています。

この表はそのまま使えるExcelファイルとしてもご用意していますので、よろしければダウンロードしてお使いください。

月ごとの合計と、半年ごとの合計は自動で計算されます。 

源泉所得税 毎月の記録表 はこちら

まとめ

毎年の納付期限を知っておき、少し余裕を持った仕組みを作っておくこと。

それが、お寺のお金を大切に守っていく第一歩になります。

年に数回の手続きだからこそ、一度仕組みを作ってしまえば、あとは安心してお寺の運営に専念できます。

一つ一つは難しいことではありません。

こうして少しずつ知っていくことが、お寺を支える力になっていきます。

👉この記事のポイント

  • 住職から預かった税金は、納付できるよう通帳に残しておく
  • 常時10人未満のお寺では、源泉所得税を年2回にまとめて納付できる特例がある
  • 源泉所得税の納付期限は毎年「7月10日」と「翌年1月20日」
  • 住民税を特別徴収している場合は、毎月市区町村へ納付する
  • 締切日の1週間前にリマインダーを設定すると安心

⭐ 次回予告

次回は「住職の給与と年末調整」についてです。

毎月の給与から差し引いている所得税は、実は「概算」の金額です。

この1年間の給与と各種控除をもとに正しい税額を計算し直し、納め過ぎや不足を精算するのが年末調整です。

お寺では社会保険料控除などを反映させることで、1月に納付する源泉所得税がほとんどなくなることもあります。次回は、その仕組みをわかりやすくご紹介します。

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