東日本大震災から10年。
窓がカタカタと音がし、ブラインドの紐がゆらゆらした。
「地震?」って思ったすぐ後に揺れがきた。
子供たちは学校にいる時間。
中学生がスマホを持つ時代ではなかった。
建物被害が出るような揺れではなかったけど、子供たちが怖い思いをしたんじゃないかと心配だった。
すぐ会社のテレビをつけた。
揺れがおさまってすぐつけたのに、次々と見たこともない映像が流れていた。
津波を呼びかけるアナウンスが続いていた。
ただテレビの前から動けず突っ立っていた。
保険会社の役目
保険会社の役目は災害等があった時に、被災された方、生活に困っている方の為に保険金の支払いを早急にすること。
保険会社に勤めていた頃、阪神・淡路大震災があった。
災害に遭われた方と連絡を取ることはかなり困難な時代だった。
自分が生きてきてあんな大きな地震は初めての経験だったので、保険会社の社員として何をどうしていいのかわからなかった。
私が住んでいたのは被災地域ではなかったので、あの時どのような対応を保険会社の社員がしていたのかよくわからなかった。
保険会社の対応
10年前は代理店に勤めていた。
東日本大震災の時は阪神・淡路大震災の経験があったからか、災害のなかった地域の保険会社の社員が災害地へ支払い対応の応援に行った。
ここでまたあらたな問題にぶつかった。
応援に行った社員がどこに何の書類があるかわからなかった。
現地の職場の書類の場所を覚えることから始まった。
慣れない場所での仕事。
これでは早急な対応なんてまだまだ。
保険会社の事務効率化、統一化が急務となった。
全国に職場がある保険会社がほとんど。
その地域ごとに創意工夫をして事務をするのもいいが、大災害の時にはこれが裏目にでる。
保険会社は全国統一の書類の管理の仕方を決めた。
書類BOXの色分け
まず事故の受付をした書類を入れるBOX。
手続きが進み損害金確定するまでの見積もり待ちなどの処理中のBOX。
見積もりが揃い査定され、後は支払い手続きをするだけの書類のBOX。
それぞれ全国統一にした色のBOXを決めた。
受付のみは赤、処理中は青、支払いは黄色など。
これで違う職場の人が来ても人目で書類がどこにあるかわかるようになった。
ファイルの統一
また、各職場に必ずあってそれぞれの地域で保管している同じ書類のファイルを統一した。
綴ってある書類のファイルも見つけやすくなった。
キャビネットマップ
キャビネットマップを作り、キャビネットのどこに何が入っているかわかるように備え付けることも各職場に義務付けられた。
キャビネットの扉にその中に何の書類が入っているか書いて貼ってしまうと、万一外部の人に見られたら大変。
マップを作成し端末で見れるようにした。
保険会社の今の対応
今は災害が起こったら、被災された方が保険会社の連絡先がわからなかったら困るだろう、ということですぐ新聞に保険会社の連絡先を載せた広告を出している。
LINEも使って保険会社から発信をし、被害に遭われてないか確認するようになっている。
ご契約者登録等をしておくとメールやLINEで保険会社から連絡が入るのはかなり被災者に安心感を与えられるだろう。
災害時の損害の査定についても通常より簡便にしている。
高齢者などの場合は離れて暮らす家族の連絡先を登録してもらうよう呼びかけてもいる。
リモートで仕事ができる環境も整い、保険会社の社員が現地に行く時間も不要となっている。
災害から学ぶもの
災害は本当に生活を一変させる。
起こってほしくはない。
でも起こってしまったら・・・。
人々は助け合い、痛みを分かち合い、前向きに生きていけるよう被災者をサポートすることが大事。
保険会社の役目も早急な支払いだけにとどまらず、防災に関する情報発信を続けなければいけない。
災害で生活が困る人が減るような商品開発をしなければいけない。
まとめ
どの災害も忘れてはいけない。
どの災害からも次へ続く教訓を得なければいけない。
保険会社、代理店の意義を考えなければいけない。
保険会社の社員や保険を扱う募集人の役目を考えさせる1日だった。
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