僧侶の仕事
月参り
毎月の命日に檀家さんの家に伺いお参りをする。
お参りの後、檀家さんとお話をしたりして滞在時間は30分ほどかな。
30分でもお年寄りの1人暮らしの方などはお坊さんが来てくれるのを楽しみにしてくれている。
みんな忙しく誰もいないお家でお参りだけして帰る時もある。
田舎ならではか・・・。
月に1回、いや、命日が3回あるお家もある。そうなると月に3回伺ってる檀家さんもある。
遠くに住んでいるご家族より会っているかも。
葬儀
僧侶は365日休みがない。
亡くなられた方の連絡はいつくるかわからない。
枕経と言って亡くなられたらすぐ伺ってまずお参りをする。
夜中でも連絡があれば伺う。(最近は遅くても24時くらいまでで、それ以降は早朝に連絡をくださる方もいる)
法事
50回忌までお勤めをする。
50回忌を迎えるまでに何回法事があるか。
その度にお坊さんはご家族の方とお話をする。
故人の話もご家族の現在の話も。
家族の一員になっているようだ。
コロナと向き合う
月参り
全国で緊急事態宣言が出た頃、お参りをどうするか考えた。
1人暮らしのお年寄りは本当に心細いだろう。
いつものようにお参りに伺いたい。でもお坊さんはたくさんの家を訪問している。
お坊さんから檀家さんにコロナをうつしては絶対にだめ。
コロナ対策として月参りをしません、とSNSで宣言しているお寺もあった。
各県、各宗派、各寺院によって対応はそれぞれだった。
お仏壇に向かって手を合わせ、お坊さんの後ろにいつもより間隔をとって座ってもらいお参りをし、その後のお話をせずに帰る。
檀家さんからお休みにしたい、と連絡があればお家に伺わず自坊でお参りをする。
そんな風に過ごしている。
葬儀
家族葬という言葉がよく聞かれるようになった。
参列者を家族、親族のみで執り行う葬儀。
何件家族葬があったか。
亡くなったことを厳格に知られないようにしているご家族もあった。
お坊さんの車を家から離れたところに止めて欲しい。
衣は家に入ってから着て欲しい。
コロナで亡くなったわけではないが、亡くなったことを今知られないように、と。
家族葬って何だろう。
解釈がそれぞれで違っているような気がする。
家族、親族のみで故人との時間を大切にし執り行うもの、が1番多い解釈の仕方かな。
参列したい、と言う方がいらっしゃったら、ご家族の家族葬にする意向を伝えれば失礼ではないと思うが。
コロナって病気がよくわからなかった時は、ただ人とのコミニュケーションを取らなければいい、という社会になっていたようだ。
亡くなられたらすぐ通夜、葬儀をしてしまい、お坊さんも1人。1人で全てをする、という事が多かった。
法事
ご法事も少人数でする傾向があった。
緊急事態宣言が解除されてもまだまだおさまらないコロナで、県外に出かけることを躊躇う人も多い。
本当にお話をする機会が何をするにしても減っていったのは寂しい限り。
これから
ただただ早くコロナがおさまることを祈る。
県外に実家がある方は、この機会にお年寄りと自分のところに来ているお寺、お坊さんについての話をして欲しいな。
誰かが亡くなられた時、自分のおてつぎのお寺の名前、お坊さんの名前を知らないご家族がいる。
全てお年寄りに任せっきりになっていると突然の時に連絡がつかない。
家族葬って言葉ばかりが流行っているような感じもする。解釈の仕方がまだバラバラなのに。
他にも色々希望があるかもしれない。
生活の中にお寺との繋がりができたらいいな。
田舎の小さなお寺の坊守のちょっとした今の想いでした・・・。
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