【お寺と保険 ~安心を話して知る~②】入院費、どう備える?

保険の話
あかり
あかり

「医療保険には入っていますか?」

そう聞かれると、

「昔入ったままになっている」
「内容はよく覚えていない」

という方も多いかもしれません。

寺族は会社員と比べると、入院した時に受けられる公的保障が少ない場合があります。

特に厚生年金に加入していない場合は、「自分で備える」という視点がとても大切になります。

今回は、入院費への備え方について考えてみます。

入院すると、どんなお金がかかる?

入院すると、治療費だけではなく、

  • 食事代
  • 日用品代
  • 交通費
  • 個室代

など、さまざまな費用がかかります。

「入院費」といっても、単純に医療費だけではない部分があります。

また、これらの費用は高額療養費制度の対象外となります。

住職や坊守の場合、入院中でも門徒さんとの連絡が必要になることもあるでしょう。個人情報への配慮から、個室を希望する方もいるかもしれません。

その場合、差額ベッド代は高額療養費制度の対象外となるため、入院日額を考える時の一つのポイントになります。 

高額療養費制度・・1か月の医療費の自己負担額に上限が設けられている制度

例えば、69歳以下ではおおよそ次のような上限があります。

年収の目安1カ月の自己負担上限(概算)
約370万~770万円約8~9万円程度
約370万円未満約5~6万円程度

※年齢や所得によって自己負担額が異なります。

「制度があるから医療保険はいらない」と安易に決めるのではなく、「制度でどこまでカバーされるのか」をまず理解することが大切です。

医療保険の「日額」はどう考える?

医療保険では、「入院1日につき、いくら保障されるか」を決めます。

これを「入院日額」と言います。

例えば、

  • 日額5,000円
  • 日額10,000円
  • 日額15,000円

などがあります。

この日額を決める時には、

  • 個室を希望するか
  • 貯蓄でどこまで備えるか
  • 手術時にどのくらい必要か

などを合わせて考える必要があります。

多くの医療保険では、この日額を基準に手術給付金が決まっています

最近は、日帰り手術でも給付金が出る保険が多くなっています。

かなり前に加入した医療保険では、

・日帰り手術が対象外
・手術給付金が少ない
・保障が80歳で終了する

など、現在の医療事情に合わなくなっている場合があります。

また、

・医療保険なのに死亡保障がついている
・解約返戻金がある

など、今の医療保険とは仕組み自体が違う商品もあります。

「昔入ったから安心」ではなく、「今の自分たちに合っているか」を一度確認してみることが大切です。

保険の内容を確認する方法として、「一覧表にしてみる」のが有効です。

保険は1社だけではなく、複数の会社で加入している場合もありますよね。

それぞれの証券だけを見ているより、加入している全体をみて、

保険を「一覧」で見る意味
  • どんな保障があるのか
  • 同じ保障が重複していないか
  • 保険料はいくら払っているのか

を把握してみるのがおすすめです。

FP相談でも、まずは加入中の保険を整理して全体を確認するところから始めています。

保険だけではなく「貯蓄」でも備える

医療費への備えは、すべてを保険だけで準備する必要はありません。

例えば、

「ある程度の入院費は貯蓄で対応する」
「大きな手術だけ保険で備える」

など、貯蓄とのバランスで備える方法です。

保障を増やすと、保険料が高くなり、毎月の家計や老後の負担が重くなることもあります。

特に寺族は国民年金中心で老後を迎えることが多いため、保障額と保険料のどちらもよく考えて医療保険に加入することをおすすめします。

保険料の支払期間が「終身払」の場合は、月々の保険料が安くなりますが、80代、90代になっても支払いが続き、老後の生活の負担になることもあります。

「今払えるか」だけではなく、「老後も無理なく払えるか」という視点で考えてみるといいですよ。

また、「総支払保険料」がいくらになるか確認してみるのもおすすめです。

保険は高い買い物です。

総支払保険料からも、貯蓄と保険のバランスを考えることができると思います。

一度確認してみること
  • 保険料はいつまで払う契約か
  • 総支払保険料はいくらになるか
  • 老後も無理なく払える金額か
  • 貯蓄とのバランスは取れているか

最近は「医療保険はいらない」という意見を聞くこともあります。

たしかに、十分な貯蓄があれば、医療保険に入らなくてもいい富裕層の方がいらっしゃると思います。

ただ、自営業である寺族は、入院時に収入が減ることもあり、会社員より自分で備える必要があります。

「保険が必要か、不要か」ではなく、自分たちの貯蓄や暮らし方に合った備えを考えることが大切です。

まとめ

入院への備えは、

・公的制度
・医療保険
・貯蓄

を組み合わせながら、「自分たちに合った形」を考えることが大切です。

特に寺族は、会社員と比べて自分で備える部分が多いからこそ、

「何のための保障なのか」
「いつまで必要なのか」

を理解しておくことが安心につながります。

「入っているから安心」ではなく、「内容を理解しているから安心」

🌱ぜひ一度、寺族全員の保障内容を整理して確認してみてください。

医療費への備えで考えたいこと
  • 保険ですべてをまかなわなくてもよい
  • 高額療養費制度について知っておく
  • 加入している保険内容を一覧にしてみる

👉この記事のポイント

  • 高額療養費制度があっても自己負担は残る
  • 入院日額は「個室」「手術」「貯蓄」と合わせて考える
  • 昔加入した医療保険は内容確認が大切
  • 終身払いは老後負担まで考えておく
  • 「入っている」ではなく「理解している」が安心につながる

次回予告

次回は、「万一の時に何を残す?」について考えてみます。

一般家庭と同じように遺族の生活を守る備えだけではなく、お寺を続けていくための備えも必要かもしれません。

寺族として、今からできる準備を一緒に整理してみましょう。

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