毎月の給与から差し引かれる税金として所得税以外に住民税があります。
この住民税は地方税と呼ばれ、住んでいる都道府県・市区町村に納めるものです。
国に納める国税の所得税とどのように計算方法や納付の仕組みが異なっているのか。
今回は、住民税がどのように決まり、お寺ではどのように納めるのかを見ていきましょう。
住民税は前年の所得で決まる

所得税と住民税って何が違うの?
まずは、所得税との違いを確認してみます。
給与から毎月引かれる税金という点は一緒ですが、税金の計算や納め方などが違っています。

住民税は、前年(1〜12月)の所得をもとに、市区町村が税額を計算します。
6月から翌年5月まで、原則として毎月同じ金額を給与から差し引き、お寺が納めます。(この納め方を「特別徴収」といいます。詳しくは後ほどご紹介します)
住民税の通知書が届く
毎年5月頃、市区町村から住民税額が通知されます。
私が受け取る封筒の表には、「重要 市民税・県民税 特別徴収関係書類在中」と書かれています。
A4サイズの大きな黄色の封筒で届きます。
封筒の中には
- 特別徴収税額の決定通知書(特別徴収義務者用)
- 特別徴収税額の決定通知書(納税義務者用)
- 給与所得等に係る特別徴収納入書
- 給与所得等に係る特別徴収のしおり
が入っています。
「特別徴収義務者」とは給与を支払うお寺
「納税義務者」とは税金を支払う住職など
「決定通知書」は税額のお知らせ
「納入書」は納付のための用紙
と役割が分かれています。
eLTAX(地方税の手続きをオンラインでおこなうシステム)による電子データでの受取を希望されている場合は、2.が送付されていません。
また1.も数字などが表示されていません。

何も印字されていないこの用紙を私が初めて見た時は、「誤送付では?」と思い、市へ問い合わせをしました。
すると、「電子で送付しているので紙には何も書かれてません。」と教えていただきました。
電子通知を利用していたことをすっかり忘れていたのです。
電子通知を利用している場合は、eLTAXを必ず確認してみましょう。
住民税の納付方法(特別徴収)
ここまでで何度か出てきている「特別徴収」についてお話します。
住民税の納付方法には「特別徴収」と「普通徴収」があります。
この違いを表にまとめました。

住職に給与を支払っているお寺では、原則として特別徴収により住民税を納付します。
給与から差し引いた住民税は、原則として翌月10日までに市区町村へ「給与所得等に係る特別徴収納入書」で納付します。
住職本人が納めるのではなく、お寺が毎月納付することになっています。
控除やふるさと納税は住民税に反映される
年末調整や確定申告で適用した控除の中には、住民税にも反映されるものがあります。
例えば、
- 生命保険料控除
- 地震保険料控除
- 配偶者控除
- 扶養控除
などは、所得税だけでなく住民税の計算にも反映されます。
また、ふるさと納税(寄附金控除)も、一定の条件を満たすことで住民税の税額軽減につながります。
ただし、所得税と住民税では控除額や計算方法が異なるものもあります。
そのため、「所得税がこれだけ減ったから、住民税も同じだけ減る」というわけではありません。
住民税が安くなる方法として控除などを活用するのもいいですね。
まとめ
住民税は、前年の所得をもとに市区町村が税額を決定し、お寺は通知書に記載された金額を毎月給与から差し引いて納付します。
所得税のようにお寺の担当者が税額を計算したり、年末調整で精算したりする税金ではありません。
所得税との違いを理解しておくと、5月に届く通知書や給与計算にも落ち着いて対応できるでしょう。
👉この記事のポイント
⭐次回予告
次回は、「個人で支払う国民健康保険料」です。
所得税や住民税は給与から差し引いて納付する仕組みでしたが、国民健康保険料は違います。
個人で口座振替や納付書で支払うものです。
次回は、この個人で支払う仕組みについてまとめてみます。

