【お寺のお金 ~お寺を支える基本~⑤】個人で支払う国民健康保険料

お金の話
あかり
あかり

「国民健康保険料が高いと思ったことはありませんか?」

国民健康保険とは、加入していると、病気やけがをしたときに医療費の自己負担が原則3割になる、というものです。 

保険料は会社員のように毎月の給与から差し引かれるのではなく、自分で納めるため、保険料が大きな負担と感じている人も少なくないでしょう。

これまで住職の給与と源泉所得税の納付、年末調整、住民税について見てきました。

今回は、住職が個人で納める社会保険料の一つである、国民健康保険のしくみをまとめていきます。

会社員と住職、健康保険の違い

会社員の場合は、健康保険料は毎月の給与から差し引かれ、勤務先も保険料を負担してくれています。

国民健康保険には、業種ごとに設立された「国民健康保険組合」(医師や美容師、建設業などが対象)もありますが、宗教法人を対象とした組合はありません。

そのため、多くのお寺では市区町村の国民健康保険に加入することになり、保険料は個人で納めます。

会社員住職
(国民健康保険の場合)
加入する保険健康保険
(協会けんぽ・健康保険組合など)
国民健康保険
保険料の支払い給与から差し引かれる自分で納付
保険料の負担勤務先と本人が負担本人が負担
保険料の計算給与をもとに計算前年の所得をもとに計算
通知方法給与明細などで確認市区町村から通知

国民健康保険料は前年の所得で決まる

国民健康保険料は、前年の所得などをもとに計算されます。

つまり、住職の給与収入が増えて所得が増えると、翌年度の国民健康保険料が高くなる場合があります。

※保険料の計算方法や保険料率は、市区町村によって異なります。

国民健康保険料はどのように計算される?

国民健康保険料は、一般的に次のような項目をもとに計算されます。

  • 所得に応じて計算される「所得割
  • 加入者数に応じて計算される「均等割
  • 世帯ごとに計算される「平等割

※市区町村によって項目や名称、計算方法は異なります。

所得割、均等割、平等割、と聞きなれない言葉ばかりですが、覚えておきたいのは1点だけです。

給与や年金などの所得が増えると、その分所得割の金額も上がる仕組みになっている、ということです。

国民健康保険料の通知はいつ届く?

市区町村から毎年、前年の所得が確定したあと、6月前後を目安に納入通知書が届きます。

通知書には、その年度に納める保険料の金額や納付方法などが記載されています。

国民健康保険料は所得税や住民税の計算をする際の、「社会保険料控除」の対象になります。

控除を申告するために、次の書類は大切に保管しておきましょう。

納付した金額が分かる通知書や領収書など

※通知が届く時期や納付方法は、市区町村によって異なります。

国民健康保険料はどうやって納める?

国民健康保険料の納付方法は、市区町村によって異なります。

納付書で金融機関やコンビニエンスストアなどから納める方法のほか、口座振替、自治体によっては、スマートフォン決済などに対応しているところもあります。

口座振替にしておけば、毎回納付する手間やうっかり納め忘れるリスクを減らすことができます。

利用できる納付方法や申込方法は、届いた通知書や市区町村のホームページで確認してみましょう。

給与と年金がある場合はどうなる?

住職の場合、現役時代は給与を受け取り、高齢になると、年金を受け取りながら、お寺から給与も受け取り続けるケースもあります。

このように給与と年金の両方の収入がある場合は、それぞれの所得を計算し、合計した所得をもとに国民健康保険料が計算されます。

そのため、「給与だけ」「年金だけ」の目安ではなく、自分の収入状況に合わせて確認することが大切です。

75歳になると、それまで加入していた国民健康保険から後期高齢者医療制度へ移ります。

国民健康保険料っていくらぐらい?

市区町村によって計算方法や保険料率が異なるため、「だいたいいくら」と一概には言えませんが、市区町村のホームページで試算システムを公開しているところもあります。

実際に金沢市の試算システムを使って見てみましょう。

例1)金沢市在住、60歳、年間給与収入300万(月25万)、世帯主1人の場合

1カ月あたりの国民健康保険料は、26613円と表示されました。

※ただし、これはあくまで概算ですのでご注意ください。

※ 金沢市の国民健康保険料試算-試算情報入力 から試算ができます。

例2)金沢市在住、65歳、年間収入300万(給与収入 215万、公的年金 85万)、世帯主1人の場合

1カ月あたりの国民健康保険料は、18010円と表示されました。

※ただし、これはあくまで概算ですのでご注意ください。

同じ「年間収入300万円」でも、給与だけの場合と、給与と年金がある場合では、国民健康保険料が異なります。

これは、給与収入と年金収入では所得の計算方法が異なるためです。 

 ※これは金沢市の一例です。お住まいの市区町村の窓口やホームページで確認してみてください。

まとめ

住職が加入する国民健康保険は、会社員の健康保険とは仕組みが異なり、保険料は個人で納めます。

国民健康保険料は前年の所得をもとに計算されるため、給与だけでなく年金などの所得も保険料に影響します。

75歳になると後期高齢者医療制度へ移ります。

住職の給与の金額は、翌年度の国民健康保険料に影響します。

給与の見直しの際には所得税、住民税とともに国民健康保険料についても考えてみてください。

👉この記事のポイント

  • 国民健康保険料は前年の所得をもとに計算される 
  • 給与や年金などの所得をもとに国民健康保険料が決まる 
  • 給与と年金がある場合は、それぞれの所得を合算して計算される 
  • 75歳になると後期高齢者医療制度へ移る
  • 国民健康保険料は、納付書や口座振替など、市区町村が定める方法で個人が納める 
  • 国民健康保険料は社会保険料控除の対象になるため、通知書などは保管しておく

⭐次回予告

次回は、「個人で支払う国民年金保険料」です。

国民健康保険料と同じように、住職が個人で納める社会保険料には国民年金保険料もあります。

国民年金保険料の仕組みや納め方などについて見ていきたいと思います。

タイトルとURLをコピーしました