
「老後の生活費は大丈夫だろうか」
そんな不安を感じたことはありませんか。
ひと昔前であれば、住職を生涯続けることも珍しくありませんでした。
しかし現代では、住職の世代交代を考えながら、お寺の将来と自分たちの老後を考える時代になっています。
住職を退いたからといって、僧侶としての活動が全くなくなるわけではないでしょう。
しかし、住職を退いた後も今と同じ給与が必要なのか、という視点は大切です。
年金を受け取りながら生活できるようになれば、お寺からの給与を減らし、その分を寺院の修繕費や将来のための積立に回せるかもしれません。
そのためにも、まずは住職と坊守の老後の暮らしについて考えてみましょう。
- 自分はいくら年金を受け取れるのか
- 老後の生活費はどれくらい必要か
- お寺と自分の老後をどう両立するか
まずは年金額を確認してみましょう
老後の生活を考えるうえで、最初に確認したいのが年金です。
意外と、

「自分が将来いくら年金を受け取れるのか知らない」
という方も少なくありません。
まずは「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で、
- 将来の受給見込額
- 保険料の納付状況
を確認してみましょう。
また、国民年金の未納期間があると、将来受け取れる年金額が少なくなります。
若い頃の未納期間がないかも確認しておきたいところです。
- 住職の年金額
- 坊守の年金額
- 未納期間の有無
- 厚生年金加入期間の有無
現在の国民年金額も知っておきましょう。
下図をご覧ください。

※日本年金機構ホームページより
令和8年度の老齢基礎年金(満額)は月額70,608円となっています。
図からもわかるように、国民年金額は毎年同じではありません。
物価や賃金の状況に応じて見直されるため、将来の受給額も変わる可能性があります。
まずは「今の制度ではどのくらい受け取れそうか」を知ることが大切です。
国民年金だけで足りるでしょうか
先ほどの年金額を見て、どのように感じましたか。
住職の中には厚生年金に加入していた期間がある方もいますが、国民年金だけの方も少なくありません。
もし国民年金だけであれば、その年金額で住職と坊守の生活費をまかなえるのかを考えてみる必要があります。
老後も今と同じような生活を希望するのであれば、公的年金だけでは不足する場合もあります。
- 貯蓄があまりできていない
- 厚生年金加入期間が短い
- 老後も今と同じ生活水準を希望している
- お寺からの給与に大きく依存している
その対策として、
- iDeCo(個人型確定拠出年金)
- 国民年金基金
- 付加保険料
などの制度があります。
所得控除など税制面のメリットもあります。
それぞれの制度については、今後の記事で詳しくご紹介したいと思います。
60歳以降も国民年金に加入できる場合があります
国民年金が満額になっていない方は、60歳以降も保険料を納められる場合があります。
例えば、未納期間などがあり満額受給に必要な期間を満たしていない場合、任意加入制度を利用して65歳まで加入できることがあります。
60歳以降もお寺から給与を受け取っている住職の場合には、将来の年金額を増やすための選択肢の1つになるでしょう。
ご自身の年金記録を是非確認してみてください。
📖豆知識
60歳以降も働き続ける住職は少なくありません。
そのため、年金額を増やせる制度が利用できないか確認してみる価値があります。
年金をいつから受け取るか
年金は65歳から受け取るだけではありません。
希望すれば60歳から繰上げ受給をすることもできますし、75歳まで繰下げることもできます。
どのタイミングが良いかは、
- 健康状態
- 家族構成
- 貯蓄状況
- お寺の経営状況
- 坊守の年金受給時期
などによって変わります。
住職の場合は、自分の生活だけでなく、お寺のお金の流れも考えながら判断することが大切です。
⚠年金は「早くもらうか遅くもらうか」だけではありません
住職の場合は、
- 住職交代の時期
- お寺から受け取る給与
- 坊守の年金
も合わせて考える必要があります。
老後設計はお寺の将来設計でもあります
住職が年金を受け取りながら生活できるようになると、お寺から受け取る給与を見直せる場合があります。
その結果、
- お寺に資金を残しやすくなる
- 修繕費を積み立てやすくなる
- 次世代への承継準備がしやすくなる
といった効果も期待できます。
住職個人の老後設計は、単なる家計の問題ではありません。
寺院経営にも大きく関わる大切なテーマなのです。
🌱住職の老後はお寺の未来につながる
老後の生活に見通しが立つことで、
- 世代交代の準備
- 寺院財政の安定
- 修繕計画
も考えやすくなります。
まとめ
老後のことはまだ先の話だと思う方もいれば、すでに現実的な課題になっている方もいるでしょう。
どちらの場合でも、まずは住職と坊守の年金額を確認することが大切です。
そして、
「どのくらい年金を受け取れるのか」
「どんな暮らしをしたいのか」
を考えながら、必要な準備を進めていきましょう。
老後の暮らし方を考えることは、住職としてどのように次の世代へお寺をつないでいくかを考えることでもあります。
まずは住職と坊守の年金額を確認することから始めてみませんか。
👉この記事のポイント
⭐次回予告
「老後資金づくり、何からはじめる?」
国民年金だけでは老後の生活費が心配という方は多いでしょう。
iDeCoや国民年金基金など、老後資金を準備する方法にはどのようなものがあるのでしょうか。
次回は 、住職や坊守が活用できる制度についてお話しします。

