
「お寺の後継者って、長男って決まっているの?」
現在、多くのお寺の悩みごととなっている後継者問題。
これまではお寺の長男が継ぐことがほとんどでした。
お寺に嫁いだ時、
「男の子が生まれると安心」といった空気や、どこか見えないプレッシャーを感じることも、少なからずありました。
そんな後継者問題の現状を、これまでのかたちと今の変化の両方から整理してみます。
これまでのかたちと今の変化、両方を知ることが大切
これまで大切にされてきた「家族で継ぐ」かたち
お寺に男の子が誕生すると、門徒さんがとても喜んでくださる。
そんな場面に触れたことがある方も多いのではないでしょうか。
それは、自分たちのお寺がこれからも続いていくという安心感につながっているのだと思います。
寺族をあたたかく見守ってくださる門徒さんは多く、小さいころから「いずれ後を継ぐであろう子どもたち」の成長を楽しみにしてくださっています。
・門徒さんが成長を見守ってくださる
・お寺の行事のたびに声をかけてもらえる
・自然と「後継者」として受け入れられる
こうした関係の中で、後継者が家族の中で決まっていくかたちは育まれてきたものであり、これからも大切にされていくかたちだと思います。
支え合ってきた仕組み ― 次男や両もらい
子どもに恵まれない場合などには、 養子を迎えるというかたちがあります。
・他のお寺の次男が入る
・親戚から迎える
・ご縁の中でつながる
その中に 「両もらい」というかたちもあります。
両もらいとは・・・夫婦でお寺の後継者として入る仕組み
親戚の中から迎えることもあれば、血縁のない方がご縁をいただいて入ることもあります。
ご縁をつないでくださる方の存在もありながら、お寺同士で支えあうというかたちで築かれてきました。
私自身も血縁のないお寺に両もらいというかたちで入りました。
はじめはすべてが分からないことばかりでしたが、門徒さんや親戚などの周りの方々にも支えられながら、少しずつお寺との関わりを深めてきました。
女の子だけの場合の選択肢
女の子だけというご家庭ももちろんあります。
これまでは「男の子が継ぐ」というかたちが一般的にあったため、お寺の次男の方を婿養子として迎えることが多く見られました。
現在では新しいかたちとして、娘さん自身が僧侶、住職となることも増えてきました。
・お寺の次男の方を婿養子として迎える
・娘さんが僧侶となり継ぐ
・一般家庭からのお婿さんが資格を取得する
後継者のかたちは1つではなく選択肢が広がってきています
家族の外にも広がる後継者のかたち
後継者が見つからない場合、宗派の冊子などで後継者を募集する取り組みもあります。
「家族で継ぐ」というこれまでのかたちだけでは対応が難しい場合があり、今は新しい選択肢が少しずつ広がってきているように感じています。
これからは「抱え込まない」ことも大事
後継者のかたちが多様になってきた今、 お寺のあり方も少しずつ変わっています。
・別の仕事をしながら継ぐ
・複数人で支える
後継者の問題という大きな悩みを 1つのお寺で抱え込まないことが大切になってきています。
これまでそれぞれのお寺の中で悩むことが多かったテーマですが、これからは同じ悩みを持つお寺同士が一緒に考えていくことがより大切になってきます。
もっと気軽に話をできるようになればそれだけで少し 心が軽くなります。
お金のこともそうですが、大切なテーマほど共有しながら考えていくことが安心につながっていくのではないでしょうか。
お寺は今も変わりながら続いていこうとしています。
それぞれのお寺に合ったかたちや後継者をみつけていくこと、そしてその過程を分かち合っていくことがこれからの大きな支えになっていくものと思います。
まとめ
お寺の後継者は、これまで家族の中で自然に受け継がれてきました。
そこには門徒さんとのあたたかい関係があり、大切に続いてきたかたちがあります。
一方で、時代の変化の中で、これまでのかたちだけでは難しい場面も増えてきています。
女性住職や外部からの継承など、新しい選択肢も少しずつ広がっています。
- 1つのかたちにとらわれず、それぞれのお寺にあった継承を考えることが大切
- 抱え込まず共有しながら考えていくことが、これからのお寺の安心につながる
👉この記事のポイント
🌱 それぞれのお寺に合ったかたちを、少しずつ考えてみてはいかがでしょうか。
⭐次回予告
次回は、「お寺ってそこに住むものなの?」です。
お寺に嫁いだらみんなお寺に住んでいる——そう思っていませんか?
実は今、お寺と住まいの形は少しずつ変わってきています。
次回は、その変化についてお伝えします。
